波のインサイドポジションを獲得したサーファーはその波を乗り終えるまで、絶対的な優先権を得ることになります。
この時、対戦相手のサーファーが、優先権を持つサーファーの得点の可能性を妨げたと大多数のジャッジが判断した場合、インターフェアレンス(妨害)がコールされます。
妨害を判断するにあたっての基本的な姿勢
1.妨害に関するルールは、正当な権利を持つ選手を保護するためにあり、積極的に妨害の罰則を科すためのルールではありません。
2.ジャッジはルールを良く理解し、全ての選手に対して公平な判断をしましょう。
3.妨害のルールに抵触するような行為があった場合、それが成立するか否かを必ず判断しなければなりません。
妨害を判定する基準及び順序
1.どのような波か?(ライトブレイク、レフトブレイク、オープンブレイク、マルチピークブレイク)
2.どの選手に優先権があるのか?
3.スコアリングポテンシャルを妨げたか否か?
4.どの妨害ルールに当てはまるのか?
重要なポイント
1.優先権を決定しているのは、あくまでも選手の波に対するポジションであって、どちらが先にスタンディングしたかではありません。
2.基本的にインサイドポジション(波のピーク側)にいる選手にその波の優先権があります。
3.妨害は状況や物理的接触だけではコールされません。あくまでも優先権がある選手のスコアリングポテンシャルを妨げたかどうかで判断します。
4.ヒート終了後の選手が競技中の選手のライディングを妨げた場合、ジャッジはその選手に妨害をコールする。
<各ブレイクによる基本的な優先権の考え方>
a.ポイントブレイク
波が一方向にしかブレイクしない場合は、インサイドにいる選手がその波の優先権を得ます。
下の例ではテイクオフやターンをした時点にかかわらず、インサイドにいるB選手が優先権を得ます。
b.シングルピークブレイク
(1)ライトとレフト両方向にブレイクする完全なシングルピークが1つある場合、テイクオフする選手のポジションにより優先権が決定されます。
(2)同じ方向にライディングした場合、その波のインサイドポジションにいるB選手が優先権を得ます。
c.マルチ・ピークブレイク
1つのうねりで互いに十分に離れたところにある2つのピークが、後からどこかのポイントで1つに交わってしまう場合があります。
2人の選手が別々のピークの各インサイドポジションにいる時は、最初にテイクオフした選手がその波の優先権を得ます。
続いてテイクオフした選手は、最初の選手を妨げる前にカットバックやプルアウト等で進路を譲らなければなりません。
<2人の選手が別々のピークから同時にテイクオフした場合>
1.双方の選手がライディングをやめた場合、妨害にはなりません。
2.互いの進行方向を横切ったり、衝突した場合、危険回避を怠った選手に対し妨害をコールします。
3.互いにライディングをやめずに危険回避を怠った場合には、双方の選手に対してダブルインターフェアレンスがコールされることがあります。
<互いに優先権がなく、波が途中で1つに交わる場合>
ライディング中に波が1つになり、2人の選手で追いかける形になった場合、波の方向性によって選手の優先権が決まります。
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