<サーフィンには自己責任が伴う>
サーフィンとは大自然の中で行うスポーツです。
大自然の恩恵を受けて行うことができます。
それは、大自然のエネルギーのほんの一部を借りているに過ぎません。
そのエネルギーは到底人間が太刀打ちできるものではないのです。
ときにその膨大なエネルギーは我々の創造を超えるような破壊力をも持ち合わせています。
そのエネルギーを借りている我々ですから、自然の恩恵に感謝しつつ謙虚であることが求められます。
そして、自己責任を伴う必要があるのです。
自分のレベルに合った波のサイズのときにエントリーするようにしましょう。
自分のサーフィンのレベルを過信することなく、サイズの大きい波のときには引く勇気も大切です。
レベルに合わない大きな波の日にサーフィンするのは、勇気があるのではなく無謀なだけなのです。
勇気とは引くことができるということです。
無謀なのは格好良くないのです。
また、サーフィンとはハードなスポーツです。
前夜や当日の飲酒を控えるのは当然のことですし、適宜休憩を入れ、水分補給することも大拙です。
大多数の方が車でサーフポイントまで移動しています。
飲酒による事故や疲れによる居眠り等を起こさないためにも、自分の体力と相談しながらサーフィンしましょう。
ライディング中についても、ルールをしっかり守ることが重要です。
自分だけがケガしたりサーフボードを壊すだけではなく、他の人をケガさせたり、他の人のサーフボードを壊したりすることがないように以下に続くマナー・ルールをしっかり理解し実践しましょう。
<車での移動時・駐車時に近隣住民に迷惑をかけない>
大多数の方が車でサーフポイントまで移動し、車を停めサーフィンをしています。
はやる気持ちを抑えきれずに、スピードを出し過ぎたり、駐車スペースではない所に車を停めたままサーフィンしたりしないようにしましょう。
特に、田舎の集落等を通行する際は、道路が狭くスピード制限値もかなり低く設定されている道路が多いです。
それは、その地域の交通事情と暮らしのリズムにも関係しています。
子供やお年寄りの飛び出し等に注意するためにもスピード制限を守りましょう。
朝早く移動するサーファーは、走行音(エンジン・マフラー)の騒音や音楽による騒音にも気をつけましょう。
また、海岸部の田舎などでは、漁業を生活の糧にしている方々が多数いらっしゃいます。
迷惑駐車をすることによって、その方々の仕事をジャマすることがないように気をつけましょう。
キャンプをして夜中まで騒音を出すのは厳禁です。
<インサイドピーク優先>
世界共通のルールとしてピーク優先という概念があります。
波が盛り上がって一番最初に割れた部分に一番近い人に、その波を1人でライディングする権利があります。
三角波で、ブレイクが左右にある場合は、左右に1人ずつです。
よくロングボーダーがうねりからテイクオフしているのを見ますが、ほとんどがうねりから横に走っており、一番力のあるピークを活用していません。
ですので、本当はロングボーダーがうねりからテイクオフしようが、岸側にいるショートボーダーの方がピークのインサイドにいる場合、後からテイクオフしたとしても、ショートボーダーにその波をライディングする権利があるのです。
まあ、そんなことをしてしまうと場の雰囲気が悪くなってしまうので、その辺は譲り合いの心が必要ですね。
そしてロングボーダーにはインサイドピーク優先というルールを理解して欲しいと思います。
なお、ピーク優先というルールがあるのは、ピークからテイクオフすると波のフェイスを一番有効活用できるライディングができるからなのです。
ちなみに、インサイドピークとは岸よりのピークという意味ではなく、その波のインサイド側、つまり一番ピークに近い所という意味ですので、全ての波にインサイドピークがあります。
<ドロップイン(前乗り)をしないようにテイクオフする際は周りを観ましょう>
波のインサイド寄りでテイクオフしたサーファーの進行方向で後からテイクオフすることをドロップインと言います。
「インサイドピーク優先」というルールに基づき、その波をライディングする権利を得たサーファーのジャマをしてはいけません。
これは非常に危険な行為であり、接触事故によるサーフボードの破損やケガの原因となりますので、気をつけましょう。
特に、初心者の場合、周りが見えてないことが多いので、悪気が無いにしても非常に迷惑な行為だということを覚えておきましょう。
<ライディングしているサーファーを優先する>
パドルアウトで沖に向かっている最中に、テイクオフやライディング中のサーファーとニアミスすることがあります。
テイクオフやライディングしているサーファーを優先させるために、パドルアウトしている選手は波に乗っているサーファーの進行方向を空けるようにしましょう。
具体的には、テイクオフしようとしているサーファーに近く、正面よりに自分がいてニアミスしそうなら、テイクオフしょうとしているサーファーの進行方向(ノーズの向き)と逆方向にパドルしましょう。
ライディングしているサーファーとある程度の距離があり、自分がライディングのコースに入っている場合は、基本、進行方向と逆にパドルしますが、そのときのライディングやサーファーとの距離によっては、真っすぐ沖に向かってパドルした方が良い場合があります。
ですので、沖にパドルアウトするサーファーは
ある程度のパドル力が必要であり、
この波をどう使うのかというライディングについての知識が必要であり、
ピークに入る前に誰がどのようなライディングをするのか観察する必要があるのです。
(海に入ってすぐにピークに行ってはいけない理由がここにもあります)
また、ピークに行くサーファーには、インサイドで波待ちやパドルアウトしているサーファーを、ライディングで交わす技術が必要なのです。
ですので、自分でインサイドにいるサーファーを交わしながらライディングすることができないサーファーはピーク行ってはいけないのです。
(これは、初心者がピークに行ってはいけない理由でもあります)
<パドルアウトの際は他のサーファーの真後ろを避ける>
パドルアウトで沖に向かっている最中に、大きな波(セット)が入ってくる場合があります。
ミドルサイズの波であれば、パドルアウトの前進の勢いとドルフィンスルー(波の下をくぐる)で、そのまま進んでいけますが、大きな波の場合、岸側に戻される場合があります。
前方にいるサーファーがセットに戻された場合、真後ろにいた時分と接触する可能性があります。
<ピークにできているリズムを壊さないようにしよう>
ピークには先に入っている人たちによって、波に乗るリズムができています。
いきなり、ピークに行ってその人たちのリズムを崩さないようにしましょう。
最初はピークから少し離れてピークを観察し、リズムを崩さないタイミングを見計らってリズムの中に入っていきましょう。
<集団で一気にポイントに入らないようにしよう>
集団でポイントに入る際、特にトリップに集団で出かける場合、レベルがバラバラだったりします。
集団でポイントに入られると、先に入っていた人たちのリズムが崩れるだけではなく、まともにテイクオフやライディングができないサーファーがピークに行くと接触事故の危険性や自分自身が流されてしまう危険性が増します。
誰もが良い波に乗りたいと思っているのです、その人たちをジャマしないように気をつけましょう。
ポイントに入る際は、時間をずらして入るか、1つのピークに全員ではいるのではなく、ばらけて入るようにしましょう。
<岸に向かって手を振る行為は救助信号です>
岸に知り合いがいるからといって、両手を大きく振ってはいけません。
その行為は、救助を求める世界共通のサインです。
特に、ライフセーバーが常駐する海岸では、すぐに救助活動が開始されてしまいます。
<インサイドで練習している初心者に優しくしましょう>
誰もが最初は初心者です。一生懸命練習しているのです。
乗ってきたサーファーを故意にジャマしようとしているのではないのです。
上手になったからと言って、初心者を侮辱するような行為はやめましょう。
インサイドまで乗って行って、初心者のすぐ近くでターンし波しぶきを掛けたり、威嚇するような行為は自身の品位を損ねます。
何よりもサーファーとして格好良くありません。
<波に乗るリズムを大事にしましょう>
自身のパドル・テイクオフが早く、一杯乗れるからといって、全ての波を人から奪い、自分だけが自己満足するような行為は避けましょう。
そこにいるメンバーと波をシェアして、その場を楽しみましょう。
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